昭和九十年十二月 - アーバンギャルド
词:松永天馬 曲:おおくぼけい
昭和九十年十二月
僕の妹が死にました
赤いマッチの灯りかざして
笑ってました
昭和九十年十二月
僕の姉さんが死にました
赤い口紅地面につけて
怒っていました
昭和九十年十二月
僕の母さんが死にました
赤い着物を海に浮かべて
泣いていました
昭和九十年十二月
僕の恋人が死にました
赤いスカート風にめくれて
赤いページがめくれた日々を
返して下さい
昭和九十年十二月
あの娘が死んだ
あの娘の名前は東京
僕らが愛した街
僕らが憎んだ街
空飛ぶマッチ売りの少女が
ビルに家に火をつけて回る
口紅みたいなミサイルで
僕らの街をメーキャップする
あの娘がひっそりと
いなくなったことを
誰も知らない
あの街が消えたことを
テレビのなかの平和
箱のなかの国家
液晶のなかに
閉じ込められた幽霊たちは
笑っていますか
怒っていますか
泣いていますか
レコードのなかに
閉じ込められたあの娘を
せめて歌のなかで
生き返らせろ
ここは息がつまる
誰かマスクをはずしてくれ
誰かこれを聴いている誰か
あの娘の名前を
もう一度呼んでください
昭和九十年十二月
僕の街が死にました
赤い服着たサンタクロース
プレゼント持って
昭和九十年十二月
僕の東京が死にました
赤い焼け跡いま雪が降る
白いページに書かれた日々を
返して下さい
昭和九十年十二月
昭和九十年十二月
昭和九十年十二月
昭和九十年十二月
昭和九十年十二月
昭和九十年十二月
昭和九十年十二月
昭和九十年十二月
声を殺すな
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