君の遅刻が直ったら
僕も煙草をやめていいよ、と
半分冗談 半分本気の
そんな二人の始まり
5分でも遅れて来たら
この話は取り消しだよ、と
こんな約束は初めてなのに
期待 裏切ってゴメン
目の前で煙草に火をつけて
笑っていたけど
悔しかったのは私じゃなくて
信じてくれてた貴方の方だね
本当は美味しくなんかない
苦いだけの煙草なら
火をつける暇もないくらい
いつも側にいられるように
毎朝 私に待たされて
風邪でもひかせないように
明日は貴方よりも先に
街の色を数えるよ
灰皿に押し付けている
つぶれた吸い殼の正体が
やり切れなさとか悲しみならば
この掌を頼って
悪ふざけみたいな約束さえ
守れない事で
口先ばかりで 裏切る事で
何を失うか分かった気がした
本当は別に気にならない
苦いだけの煙草でも
火をつける暇もないくらい
いつも側にいられるように
毎朝 貴方に急かされる
ように部屋を飛び出して
遅れて来た貴方にそっと
今日も青い空の色を教えるよ
誰にも望まれてはいない
苦いだけの恋だけど
何かにもみ消されるまでは
貴方を好きでいさせて
おわり
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