夏の月-杏里
本を読んでも 眠れない夜 あなたの背中を見てた
重い硝子の 窓を開けたら 気持ちいい風が吹いた
いつからか 気がつけば 頬づえついて ぼんやりしている
古い灯台 白い波 光る海 何かを探すように
月だけが知っていた 私達のこの恋は
いま小さな花火みたいに
ひっそりと終わるの
ふたりよく来た 葉山の砂に 足跡残し歩いた
ボトルのままの冷えたミネラル おでこにつけて思った
優しさも 我が侭も 弱さも全部 わかって私は
あなたを愛し なにひとつ怖くない そんな自分怖くて
体の温もりに 変わらないこの暮らしに
甘えあってお互いが だめになってしまうのなら
別々に生きていく だれも知らない明日を
まだ私も知らない私
見つけだしてみたい
ふたりきりこのままで黙ったままで あの星 祈ろう
旅路のような長い夜 明けたとき 微笑みあえるように
時計を戻しても 悪いところ直しても
きっとふたり同じこと 繰り返してしまうのでしょう
夏の月が見ていた 私達のこの愛は
いま小さな花火みたいに
美しく心に
月だけが見ていた ふたりのこの恋を
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